横浜で打ち合わせがありまして、
せっかくなので、ジュエリーショップ、カジュアルアクセサリーショップを覗いてみようということになりました。
夫婦でお店をあちこちまわり、時間めいっぱいまで。
2時間くらいかけて12店舗みて電車に乗るころには疲労困憊。
ではなくワクワクや充実感でいっぱいに。
ジュエリーショップをいくつもまわるカップルといえば、結婚前のカップルか、なにか探し物や目当てのものがあってお店に入る人たちがほとんどかと思いますが、私たちのような、新婚には見えないし、ご褒美として自分に買うのか記念日で買うのか用途が見えないカップルがお店の隅々まで見ていたのは、異様な光景だったことと思います。
ブライダルコーナーをみたり、新作コーナーを覗いてみたり、壁際に大きく展示されているショーケースまで二人でいろいろ話しながら見ているわけですから。
それでも、店員さんたちは商品の説明をしてくださったり、丁寧な接客サービスをしてくださいました。
少し前だったら、ハイブランドショップに用もなく入るのは少しドキドキ、どこか引け目を感じていましたし、お店に入ったとしても、さらっと流すくらいしかできませんでした。
今は年齢のせいもあってか、少しはトークスキルや度胸も身に付いたので、様々なお店で多種多様な接客やジュエリーの魅せ方を感じてきました。
Vendome青山(ヴァンドームアオヤマ)、SWAROVSKI(スワロフスキー)、Tiffany(ティファニー)、MIKIMOTO(ミキモト)、ete(エテ)、STARJEWELRY GIRL(スタージュエリーガール)、wailea(ワイレア)、Cartier(カルティエ)、BVLGARI(ブルガリ)、FRED(フレッド)、HERMES(エルメス)、CHANEL(シャネル)、GUCCI(グッチ)
訪問順です。
夫が専門学校に通う頃はランドマークタワーに入れば、何店舗もジュエリーショップが軒を連ね、学校で出された課題をこなすのに大変良かったそうですが、2018年も終わろうとしている現在では、移転してしまった一流ショップも多い。そんな切ない状況です。
ランドマークタワーとクインズスクエアをまわり、横浜高島屋に移りました。
高島屋のCHANELはジュエリーを扱っておらず、そごうにあるとのこと。そこまでは足を延ばせなかったので計12ショップのお店をまわってきました。
一流店の接客は、やはり上品ではありましたが、何か向こうも話しかけていいのか悪いのかという雰囲気でして、こちらがアクションを起こしたのち説明していただくという感じでした。
それに比べて、ガラスケースを見ているだけでグイグイ話しかけてくださるのは、フロア店。
試着こそできないものの、鏡であててみてくださいとこちらが要求する前からどんどん段取ってくださる。
手に取りやすい分お客側も話しかけやすいですし、やはり店員さんとの距離も近く感じます。
セールストークを巧みな話術で
今回、私の中でヒットした接客サービスをしてくださったのは、もともと大好きなGucciです。
ハイブランドにカテゴライズされるので接客は邪魔しない程度というのがお決まりでしょうが、今回の接客は脱帽でした。
私自身、なぜか昔から配色が好きでバンブーを使った製品も多く、高級ブランドなのにカジュアルに使えるアイテムが多いところが好きな点です。
若い頃、みんながPRADAのリュックを背負っていた時代、私はGucciを夢見ていました。
ここ数年は遊び心も増して、レトロ具合がさらに加速している気がします。
定期購読しているVOGUE USAを眺めていてもGucciのページは凄まじい。
話が逸れましたが、そんなGucci。
入ってすぐに、店員さんになぜかロックオンされました。
ものすごい視線で私たち夫婦を追っかけてきます。
はじめは、夫がもの凄く引いてる。ドン引きしてる。
でも次第に、話術にはまり、気が付けば、新作バックまで持たされていました。笑
Gucciに滞在した時間、おおよそ30分。
初めてお茶を出していただきまして、恐縮してしまいました。
これまで、海外ショップでの買い物が多かったものの、日本でも何度か買い物経験がありましたが、お茶を出されたことは一度もなかったので驚きました。
だって、今回は完全にウィンドウショッピング。
それが、店員さんにロックオンされ、しかも男性の方、しかもベテラン、そして饒舌。
こちらが質問したことに対して一点一点ジュエリーの説明から歴史から、多くの情報を語っていただき、まさに私たちにお茶を出すよりご本人が飲みたいくらいであろう勢いで、でも、嫌な感じ、押し売りが全くなく、言ってみれば彼のGucci愛を拝聴させていただいたという気持ちでした。
ちょうどいい塩梅のフランクさが居心地を良くしてくれたのか、こちらも質問しやすくて、ジュエリーに限らず、衣類やバッグなどのアパレルまで様々店内を案内してくださいました。
いくつか試着も促され、私たちが冷やかしで来ていたわけではないことや、熱心にジュエリーを見ていたことは間違いないですが、購入意思が毛頭ないことは感じておられたはずです。
それでも、熱心に説明してくださるあたり、本当に心打たれましたし、もっとお話しを聞きたかったです。
平日の雨の日で、お客さんも少なかったからという理由ではありますが、今までどんなお店でも受けたことのない、感じのいい情熱的な接客サービスを長時間受け、思わず試しに持たせていただいたバッグに10万円出ていきそうになりました。ぐっと堪えましたが。笑
自分のファンになってもらう
この方の接客のように、自分の言葉で自分の勤めている会社への情熱がうかがい知れるというのは、お店のファンというより、彼のファンになり得ます。
きっと、同じ年代くらいでしょうか。
ブランドについて沢山勉強され、お客の身の丈にあった接客フレーズで相手をしてくださり、押し付けるというより、自分の愛しているブランドがいかに素晴らしいのかを愛くるしく教えてくださるのです。
愛くるしい、ここが重要、好きでたまらないがこぼれているのです。
そんな姿を見ていると、深みにはまるというか、もっとお話をお聞きしたいと思ってしまう自分がいるのでした。
これは、異性だからという理由ではなく、隣にいた夫も同じ感情を抱いていました。
私も、弊社のファン以前に、私のファンになっていただけるよう、日々仕事を大切に、家族や友達を大切に、ものを大切に、一日一日丁寧な暮らしをしていきたいなと改めて思いました。
見せかけじゃなくて、内面から。
それは自分を大切に、日々を大切にすることから始まります。
パーソナルスペースを絶妙にかいくぐる接客をしたい
どんなジュエリーが店頭に並んでいるのか見てみたい、など純粋にウィンドウショッピングを楽しんでいるだけという場合は基本話しかけてほしくないのですよね。
話しかけられても困ってしまいます。
だから、そう思うだけでジュエリーショップへ足を運ぶのが億劫になることもあると思うのです。
女性はまだ愛想笑いしてればいいけれど、男性だったら特にですよね。
でも、男性がショップへ足を運ぶときっていうのは、サプライズでプレゼントを贈るときか、パートナーと一緒に選びに行くかになりますよね。
ご自身のジュエリーを買いに行くこともあると思いますが、そういう場合はけっこう明確なイメージをもたれて来訪することが多いと思うので、“プレゼント選び”ということでショップへ行くのは、やっぱり緊張してしまうシチュエーションかと思われます。
そういった気持ち前提として、ショップで店員に相談するなんていうのは、もうかなりハードルが高い。
でも、ネットで見てても訳がわからない。だんだん面倒臭くなってくる。
だれか、相談できる相手が欲しい。そう思うのが自然な流れ。「こういう機会にプレゼントがしたいいんだけど、どういうものがいいの?」
ジュエリーのことなんて、詳しくないですもの、たいていの人が。
ジュエリーにも流行がありますし、相手のサイズや嗜好も正直変動するものだったりします。
そういうときに、手を差し伸べてあげられるポジションにいたい。
そんな風に強く思いました。
有名なお店に入るのも嫌なのに、わざわざ小さな工房の知らない人に相談するなんて怖いと思う方も多いでしょう。
まず相場もわからないし、どんなこと言われるかの想定もつきにくい。
だから、地道に活動していくしかないんですね。
発信して、どんな人がつくっているのかを知ってもらう。人柄を知ってもらう。
私たちからはグイグイいけないので、グイグイ来てもらえるような体制でいることが大事かなと。
小さな、でも半世紀近く続けてこられた、家族で経営してきた、貴金属加工が自分たちできるジュエリーを売っているお店にできることは、ぬくもりを伝えられること。
いただいた注文に対して、誠実に、納期はかかってしまうけど、誠心誠意を込めた仕事をして、お客様に喜んでいただきたい。
ただ、それだけを切に願って今日も頑張っております。
本当に、Gucciでは衝撃的な接客の極意というものを体感させてもらいました。
名刺や秋冬コレクションの小冊子などもいただき、きっちりご挨拶していただき、次回はこの方の下で購入したいと思わせてくれる素晴らしい接客でした。
悔やんでいるのは、フロアを移動しても出し続けてくださったお茶を飲まずに帰ったこと。タイミングが難しくて。笑 きっと高級な味がしたに違いないです。
私たちもオンリーワンのジュエリーをオンリーワン接客でやっていきたいと改めて強く思いました。
どうぞお気軽にイベント出店時でもメールでもお電話でも、どこかでお会いしたときでもご相談ください。